2013 年 69 巻 4 号 p. I_501-I_508
鉄塔-送電線系は,ライフラインで欠かす事の出来ない電気を供給する設備である.この鉄塔のような高い構造物やその高所に設置されている送電線の付属品は,巨大地震の発生に対して,耐震性の検討が進められている.これらの巨大構造の実機加振試験は不可能なことから,現状では数値シミュレーションに頼らざるを得ない.そのため,数値解析モデルは実体の挙動を的確に反映したものとする必要がある.
本報は,圧縮を負担しない送電線に非線形性トラス要素を用いて,巨大地震時の解析を行い,線形モデルとの比較を行った.また,地震動の2方向同時入力および鉄塔間の時間遅れについても検討した.