2003 年 18 巻 2 号 p. 1-6
卵巣の機能調節は視床下部-下垂体-卵巣-子宮を中心とする内分泌系が, その主軸をなすことが知られている。これに加えて, 近年では卵巣に存在するマクロファージやリンパ球などの免疫系細胞や腫瘍壊死因子 (TNF)-αやインターフェロン (IFN)-γといったサイトカインも内分泌系 (ホルモン) による調節と絡み合って卵巣機能の調節に加わっていることが知られるようになった。本稿では, 卵巣機能の中でも短時間に劇的な変化をなす黄体退行という現象に免疫系がどのように関わっているのかについて, これまでに国内外で行われてきた研究をもとに展望した。