2014 年 28 巻 3 号 p. 338-347
目的:医師とコメディカルスタッフが協働して行った患児主体のぜんそく教室が気管支喘息の小中学生のアドヒアランスやセルフケアに与える効果について検討する.対象:2011年8月4日に行った“こどもぜんそく教室”に参加した喘息患児18名のうち,教室後も定期的に通院した17名を対象に,教室前,教室1, 3か月後の喘息日記,ピークフロー(Peak Expiratory Flow:PEF),服薬のアドヒアランス,セルフケア,呼吸機能を評価した.結果:教室1か月後は教室前に比べてアドヒアランスやセルフケア,呼吸機能の改善を認め(P<0.05),“こどもぜんそく教室”は有効であった.教室3か月後も吸入やPEF手技は教室前と比較すると良好であり,教室1か月後と比較するとアドヒアランスが低下した患児はいたが,50%以上のアドヒアランスを維持できている患児は教室前よりも増加していた.結語:医師,コメディカルスタッフが協働し,患児を主体としたぜんそく教室は,患児が喘息の病態や治療の必要性を理解し,主体的にセルフケアに取り組む機会となり,アドヒアランスの向上に有効であった.