日本東洋医学雑誌
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臨床報告
COPD,間質性肺炎に伴なう諸症状に対して人参湯が有効だった3症例
福田 秀彦渡辺 哲郎長坂 和彦
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2012 年 63 巻 4 号 p. 261-265

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抄録

慢性閉塞性肺疾患(Chronic Obstructive Pulmonary Disease,以下 COPD)および間質性肺炎の3症例に対して胃もたれ,下痢を目標として人参湯を投与した。目標とした胃もたれ,下痢は速やかに改善した。さらに咳や痰が著明に減少あるいは消失した。そのほか3症例に共通していた事は心下痞鞕と心下部の冷え(以下「心下冷」)を認めることであった。これまで人参湯は消化器症状に用いられることが多かったが呼吸器症状にも用いられるべき処方であると考えられた。

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© 2012 一般社団法人 日本東洋医学会
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