高分子論文集
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総合論文
バイオエタノール濃縮用高分子膜と膜分離技術の開発
浦上 忠
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2014 年 71 巻 5 号 p. 169-186

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抄録

バイオエタノールの蒸留後の共沸組成溶液の脱水を行う膜として架橋膜とハイブリド膜が調製され,浸透気化法,気化浸透法での脱水特性が検討された.架橋とハイブリド化は膜膨潤制御に貢献し,脱水性能を向上させた.とくに四級化キトサン(q-Chito)架橋膜およびq-Chitoとテトラエトキシシランからのハイブリッド膜は脱水性能に優れ,高い透過速度を示した.一方,バイオエタノール中のエタノールを濃縮する膜は,置換ポリアセチレン(PTMSP)膜,ポリジメチルシロキサン(PDMS)膜が用いられ,PTMSP膜表面が表面改質材で修飾されると,エタノール選択性が格段に向上した.また,ミクロ相分離構造を有するDMS-g-MMA膜はDMS相の連続相が形成されると,高いエタノール選択性を示した.また,多孔質PDMS膜をTDEV法に用いると,透過速度とエタノール選択性に優れていた.

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© 2014 公益社団法人 高分子学会
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