2009 年 98 巻 6 号 p. 1278-1284
急性期脳梗塞の抗血栓療法は急性期の脳梗塞再発を抑制し,これにより患者の予後の改善を目的としている.しかしながら,急性期脳梗塞における抗血栓療法には日本と韓国のみで適応のとれている治療法が多く,エビデンスとして国際的に確立しているものはアスピリンのみである.急性期心原性脳塞栓の抗血栓療法には,現状で明らかなエビデンスを有する薬剤は認めない.アテローム血栓性脳梗塞には,アスピリン,アルガトロバンとオザグレルナトリウムが,ラクナ梗塞にはアスピリンとオザグレルナトリウムが,抗血栓療法として効果が示されている.