Progress of Digestive Endoscopy
Online ISSN : 2187-4999
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症例
サンポール®服用後に全周性幽門前部狭窄を来した1例
鎌田 至五十嵐 良典高山 竜司宮木 大輔大塚 隆文藤塚 宣功河村 美穂子竹内 基中野 茂神田 映子石井 耕司飯田 和成住野 泰清三木 一正羽鳥 努池田 正視
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キーワード: サンポール, 幽門狭窄
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2005 年 67 巻 2 号 p. 72-73

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抄録

 症例は59歳女性。56歳時よりうつ病にて当院精神神経科に通院加療していた。平成16年11月21日,自殺企図で酸性洗浄剤サンポール®を約100ml服用。他院入院し保存的に加療していたが,うつ症状顕著となり第13病日当院転院。第18病日のGFでは頸部食道の全周性潰瘍と,胃体部に長軸方向に伸びる線状のびらんを数条認め,前庭部に潰瘍形成と全周性の狭窄を認めた。スコープの通過は可能であり,流動食より食事開始し全粥食まで摂取可能であった。しかし,第25病日のGFでは前庭部の狭窄が進行。第31病日,スコープの通過が不可能となった。以後,バルーン拡張術を繰り返し施行し,狭窄の一時改善を認めるものの,その後,再狭窄を繰り返した。食事摂取量は以前の1/3~1/2となり,第136病日,幽門輪保存胃部分切除術施行した。腐食性物質による消化管障害は遷延し,治療方針に関しては病変の変化に応じ対処を変更する必要があると考えられた。

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© 2005 一般社団法人 日本消化器内視鏡学会 関東支部
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