順天堂医学
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報告
当科における過去5年間の急性白血病の治療成績に関する臨床的検討
小池 道明斉藤 潔大沢 秀樹橋本 真生阿部 総太郎堀江 誠一石山 泰二郎菅谷 直樹宮山 龍雄杉本 正邦若林 芳久廣瀬 俊一
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1991 年 37 巻 2 号 p. 243-247

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抄録

1985年から1989年の5年間に, 順天堂医院に入院した成人の急性白血病患者のうち, 定型的治療を施行し, 追跡調査を成し得た39例について, FAB分類, 治療法別に寛解率・生存期間・死因について解析した. 初回完全寛解率はBHAC-AMP療法50.0%・BHAC-DMP療法58.3%・High-Dose Ara C療法71.4%・AdVP療法75.0%・L-AdVP療法60.0%であった. FAB分類では、M2, M4, L2の寛解率は高かったが, M1では低率であった. また, 32.6%が肺炎で死亡している. 生存期間は全体的に短期間であつたが, M4 Eosinoの3例はHigh-Dose Ara C療法ですべて寛解し, 3例とも生存中であることは注目される. 今後, 多剤併用によるプロトコールを作成し, 治療方法を改良する必要があることが明らかになった.

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© 1991 順天堂医学会
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