病院の歴史は, 洋の東西を問わず医師対患者の個人的医療として存在したが, 科学的理論の導入により組織的な医療へと発展し, 現代社会では単に患者の治療だけでなく, 疾病の予防やリハビリテーションにまで拡大し, 社会的機能にまで進展している. わが国の病院は, 明治維新と第2次世界大戦後の2回に渡って大変化をきたしたが, 病院管理の立場からは, 特に後者の変化が重要である. わが国では占領軍の指導と, Northwestern大学のDr. マック著Hospitalmanagementが病院管理学発祥の契機となり, 昭和24年, 厚生省に病院管理研修所が開設され, 今日では大学に病院管理学講座が設置されるまでになった. 従来, 病院管理学は, 病院内部組織の管理面等を中心とした実践的な研究が進められてきたが, 今日では法規・医療経済・医療制度・医療の倫理等にまで及ぶ研究・教育が行われるようになった.