順天堂医学
Online ISSN : 2188-2134
Print ISSN : 0022-6769
ISSN-L : 0022-6769
第27回都民公開講座《食品(サプリメント)の効用と有害事象》
日常生活におけるサプリメントの光と影
末武 信宏小林 弘幸
著者情報
ジャーナル フリー

2011 年 57 巻 2 号 p. 100-108

詳細
抄録

サプリメントの定義は明確ではないが, 近年, 健康志向もあって関心が高まっている. 日本では健康食品という言葉がかなり昔から使用されている. いわゆる健康食品は特定保健用食品として効能を記載できるサプリメントと, 一般食品として売られ, 食品衛生法の適用しか受けないものが混在している. 市場には様々なサプリメントが出回っているが, サプリメントの安全性やサプリメント摂取の必要性が求められる. 市場には多くのサプリメントが氾濫し消費者が手に入れるサプリメントに関する情報には必ずしも正確な情報とは限らない. 市場では誇大広告も問題となり2010年, 消費者庁は誇大広告の規制強化に本格的に乗り出すことを発表した. サプリメントが健康増進, アンチエイジング目的で摂取される場合, 個人の特質, 必要量, 摂取方法などを十分に配慮すべきである. 疾病を主にスクリーニングする血液検査以外に生体の機能の状態を把握する末梢血液分析, 酸化ストレス度検査, 自律神経機能検査などがあり必要サプリメントの指標検査として注目されている. 近年, アンチエイジングという名称が健康増進と同義に使用されてきているが, サプリメントもアンチエイジング効果を謳った製品が市場に急増してきている. アンチエイジングに関する具体的なサプリメントとその効能や将来性を検討した. また, これまでの抗酸化サプリメント事情を覆すような学術論文も散見され改めてエビデンスの重要性が問われている.

著者関連情報
© 2011 順天堂医学会
前の記事 次の記事
feedback
Top