理学療法科学
Online ISSN : 2434-2807
Print ISSN : 1341-1667
原著
運動前の2種類の異なる電気刺激が上肢運動パフォーマンスとピンチ力に与える影響
宮田 一弘臼田 滋
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2014 年 29 巻 2 号 p. 315-319

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抄録

〔目的〕運動前に筋と神経を対象とした2種類の異なる電気刺激が運動パフォーマンスとピンチ力に与える影響を検討することである.〔対象〕健常成人8名とした.〔方法〕木球を掌で回す課題を用い,事前に練習を行いパフォーマンスが安定したところで電気刺激を加えた.電気刺激は,筋刺激(母指球筋,周波数100 Hz,120秒)と末梢神経刺激(正中・尺骨神経,周波数10 Hz,60分)を実施した.電気刺激前後での回転数とピンチ力を測定した.〔結果〕両刺激とも電気刺激前と比較し刺激後に有意な回転数の増加が認められ,変化率を比較すると筋刺激が有意に高値を示した.一方,ピンチ力に変化は認められなかった.〔結語〕短時間の筋刺激は末梢神経刺激に比べて運動パフォーマンスを向上させる方法として有用である可能性が示唆された.

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© 2014 by the Society of Physical Therapy Science
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