2012 年 56 巻 1 号 p. 31-34
二次元電気泳動法は質量分析法と組み合わせることにより組織や細胞に発現する多くのタンパク質を分離・同定することが可能であり,タンパク質の定量的解析ならびにその翻訳後修飾の解析にも威力を発揮する.最近,著者らは二次元電気泳動法をベースとしたプロテオミクスにより神経極性形成分子Shootin1を同定した.本稿では神経細胞の極性形成に関与するタンパク質の探索の際に行った二次元電気泳動法をベースとしたプロテオーム解析の高感度化の試みと,それにより同定されたShootin1の機能解析について概説する.