2014 年 11 巻 p. 82-95
我が国ものづくり産業の発展を支えてきた1つの要因である「高度熟練技能」の維持・継承のための政策について検討した.具体的には,1997年度から2009年度まで行われた高度熟練技能活用促進事業を取り上げ,その変遷を整理した上で,他の施策等との比較分析により当該施策が果たした役割と課題を明らかにした.その結果,同事業が高度熟練技能の評価や高度熟練技能の情報の収集と分析・提供に貢献したことが示された.この結果を踏まえ,今後,高度熟練技能の維持・継承のための政策を立案するにあたっての示唆を得た.