2011 年 26 巻 p. 27-34
盛土内に面状のジオシンセティックスを水面に敷設することにより,補強領域の粘着力が見かけ上,増加する(見かけの粘着力)と考える補強土の設計法が業務で用いられることがある.この考え方の根拠となっている実証試験は,Schlosser and Long(1973)が行った面状のアルミ箔を用いた一連の三軸圧縮試験である.本論文では,様々な補強材を用いた三軸圧縮試験を行う上での問題点を整理した.次いて見かけの粘着を定量的に評価したうえで,異なる引張挙動をもつ3種類の材料を用いて一連の三軸圧縮試験を実施し,ジオシンセティックスを使用した補強土において見かけの粘着力を設計に用いることの妥当性について検討した.