2011 年 67 巻 2 号 p. I_1069-I_1074
ジオテキスタイル等で構成される袋材に土砂等を詰める工(以下,袋詰め工)は,現地発生土の利用,施工の省力化,変形への追従性,砂利・石材等の資源の枯渇への対応の面から注目されており,海岸保全施設への適用の期待が高まっている.しかし,我が国では海岸で本格的に袋詰め工を施工した事例がないために,日本の海岸において適用可能なのか,施工の省力化がどの程度可能であるのか不明である.そこで本研究では,袋詰め工の試験施工を実施し,施工性向上のための工夫について検討した.検討の結果,海岸の底質や波浪条件,地形に応じて充填方法の工夫を施せば,日本の海岸においても袋詰め工の施工は十分に可能であることが確認された.