第四紀研究
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中部ヨーロッパにおける最終氷期-後氷期の較正年代と考古学
小野 昭
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2001 年 40 巻 6 号 p. 527-534

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抄録

更新世末から完新世への移行期は,気候変動による環境の変化と人類の適応行動を考えるうえで,考古学にとっても重要な時期である.しかし,特に近年この時期の14Cの生の測定年代値と較正を施した後の年代の間の開きが,考古学・人類学にとって無視できない問題となって,対応をせまられている.われわれが今後直面するであろう諸問題を,この問題に関して一歩先んじて議論が展開している中部ヨーロッパの事例で検討し,いくつかの問題点を指摘した.特に,考古資料の細分編年と測定誤差,14C年代測定値と較正年代に関する表記上の問題,較正年代と暦年の関係など,今後検討がせまられると考えられる諸点について問題を提起した.

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