日本大腸肛門病学会雑誌
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Crohn病の外科的治療の適応と遠隔成績からみた問題点
湯川 裕史谷村 弘青木 洋三石本 喜和男山本 真二坂口 雅宏康 権三太田 正孝林堂 元紀山口 和哉正木 和人中村 昌文勝見 正治
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1988 年 41 巻 4 号 p. 359-365

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抄録

教室で経験したCrohn病13例の外科的治療および遠隔成績について検討した.性別では,男10例,女3例と,男性が優位であった.初発時年齢は平均21.0歳であり,診断時の年齢は平均26.6歳と,5年のずれがあった.肛門病変が62%に合併しており,その半数が初発症状であったこと,虫垂切除の既往が39%に認められたことが,早期診断のために重要であると思われた。病変部位は,小腸型2例,小腸・大腸型8例,大腸型3例であり,手術は9例69%に施行した.手術適応は,瘻孔の合併が7例と,大多数を占めていた.手術の術式は,すべてに病変部位を含めた腸切除を行った.術後再発は6例に認められ,67%という高い再発率を示した.そのうち3例に再手術を行った.このことは,Crohn病に対する外科的治療の困難さを示している.

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