教室で経験したCrohn病13例の外科的治療および遠隔成績について検討した.性別では,男10例,女3例と,男性が優位であった.初発時年齢は平均21.0歳であり,診断時の年齢は平均26.6歳と,5年のずれがあった.肛門病変が62%に合併しており,その半数が初発症状であったこと,虫垂切除の既往が39%に認められたことが,早期診断のために重要であると思われた。病変部位は,小腸型2例,小腸・大腸型8例,大腸型3例であり,手術は9例69%に施行した.手術適応は,瘻孔の合併が7例と,大多数を占めていた.手術の術式は,すべてに病変部位を含めた腸切除を行った.術後再発は6例に認められ,67%という高い再発率を示した.そのうち3例に再手術を行った.このことは,Crohn病に対する外科的治療の困難さを示している.