日本心臓血管外科学会雑誌
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大動脈4尖弁による大動脈弁閉鎖不全
稲村 俊一小出 司郎策川田 志明正津 晃
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1989 年 19 巻 1 号 p. 13-16

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抄録

33歳,男性,大動脈弁閉鎖不全.手術時,大動脈4尖弁であることが判明,右冠尖と左冠尖の間に過剰尖があり,この三つはほぼ同大,無冠尖が小さかった.Björk-Shiley弁で置換,術後経過は良好である.大動脈4尖弁はまれで,報告は39例,大多数が成人になってから大動脈弁閉鎖不全となり,手術報告は9例である.最近,大動脈造影,心エコーにより診断可能となった.文献例の調査により,本症を過剰尖の位置により2群にわけることを提案した,I型は過剰尖が右冠尖と左冠尖の間,すなわち前方にあり,報告例はこれに属する.II型は過剰尖が右冠尖と無冠尖の間,すなわち後方にあり,この場合は全例,過剰尖が小さい.

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