日本心臓血管外科学会雑誌
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肺動脈弁に疣贅を伴った感染性心内膜炎,大動脈弁閉鎖不全,Valsalva洞動脈瘤破裂の1手術例
肺動脈弁心内膜炎の本邦報告例の集計
小塚 裕村上 龍司宮入 剛守月 理竹田 誠鈴木 勝神田 順二水野 明
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1991 年 20 巻 7 号 p. 1321-1325

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抄録

肺動脈弁心内膜炎,大動脈弁閉鎖不全,Valsalva洞動脈瘤破裂の51歳男性に対し,肺動脈弁疣贅切除,瘤切除・パッチ閉鎖,大動脈弁置換を行って治癒せしめた.肺動脈弁は心内膜炎に最も罹患しにくい弁であり,本邦では自験例を含めて21例が報告されている.21例中20例で先天性心疾患を基礎疾患にもっており,その全例が肺動脈弁にjet lesionを生じ得る疾患であった.したがって肺動脈弁に生じるjet lesionが肺動脈弁心内膜炎の誘因としてきわめて重要な因子と考えられる.肺動脈弁の処理法として疣贅切除,肺動脈弁切除,肺動脈弁置換が報告されている.右心系の弁置換術が遠隔成績に問題を残している現状では,心内膜炎の活動性,弁尖の病変の程度,肺血管抵抗を考慮し,慎重に術式を決定すべきものと考えられる.

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