日本心臓血管外科学会雑誌
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上行大動脈-両側内頸動脈バイパス術後可逆性脳障害をきたした大動脈炎症候群の一治験例
吉川 義朗河内 寛治井上 毅亀田 陽一金田 幸三近藤 禎晃萩原 洋司北村 惣一郎
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1992 年 21 巻 3 号 p. 274-277

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抄録

大動脈炎症候群による頸動脈閉塞症は, 広範囲かつ進行性であることよりその外科治療は容易でない. 著者らは大動脈炎症候群による高度の両側頸動脈閉塞をきたした症例に, 上行大動脈-両側同時頸動脈バイパス術を施行し, 術後 hyperperfusion による可逆性脳障害をきたした症例を経験した. 症例は23歳, 女性で19歳より大動脈炎症候群と診断され, プレドニゾロンを投与されていた. 動脈造影にて, 左総頸動脈, 左鎖骨下動脈の閉塞, 右総頸動脈, 右椎骨動脈起始部の高度狭窄を認め, 意識消失発作が増悪したため, 手術となった. 手術は直径7mmリング付 EPTFE グラフトを用い上行大動脈より両側内頸動脈への同時バイパス術を行った. 術中 transcranial Doppler 法により中大脳動脈血流速度をモニターし有用であった. 術後 hyperperfusion による一過性脳障害を認めたが良好に回復し, 後遺症を認めず術後65日目に退院し, 現在, 通常生活を送っている.

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