日本心臓血管外科学会雑誌
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特発性間質性肺炎を合併した不安定狭心症に対する冠動脈再建術の1治験例
山本 晋布施 勝生成瀬 好洋渡邊 泰徳小林 俊也小西 宏明堀井 泰浩
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キーワード: 特発性間質性肺炎
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1992 年 21 巻 6 号 p. 566-569

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抄録

72歳男性. 特発性間質性肺炎 (IIP) を伴う不安定狭心症の診断のもと冠動脈造影 (CAG) を施行し, LMTに90%の狭窄病変を認め, PTCAを施行したが約2か月後再び不安定狭心症となり, CAGでLMT 90%の再狭窄を認めたため, 冠動脈再建術 (CABG) を施行した. 術前, 胸部X線像では両側下肺野にびまん性細粒状影を認め, 聴診上も Velcro ラ音を聴取した. 手術は高齢者かつ肺機能低下例でもあることを考慮し, 短時間での血行再建を目標に伏在静脈を用いた2枝バイパスを行った. 体外循環終了後に一時的なPaO2の低下をみたが, 周術期は血行動態, 呼吸状態ともに安定しており, 第1病日に抜管した. 術後は特発性間質性肺炎の急性増悪もみられず29病日に退院した.

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