日本心臓血管外科学会雑誌
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腹部大動脈瘤における腹膜外到達法の検討
仁科 健岡林 均嶋田 一郎榎本 栄大野 暢久湊谷 謙司亀山 敬幸宮本 忠臣
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1993 年 22 巻 4 号 p. 319-321

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抄録

腎動脈下の腹部大動脈瘤に対し経腹膜的到達法16例と腹膜外到達法25例との比較検討を行った. その結果, 術中比較として手術時間に有意差はみられなかったが, 出血量・輸血量は腹膜外到達法施行時よりセルセーバーを使用し, 腹膜外到達法が有意に少ない傾向にあった. 輸液量には有意差はなかった. 術後比較として経口水分摂取開始時間・歩行開始時間は腹膜外到達法が有意に短時間であり, 鎮痛剤の使用回数も有意に少なかった. さらに, イレウスの合併例は1例も存在しなかった. 経腹膜的到達法に比べ腹膜外到達法は, 手術時間にも差はなく離床が早く術後の創部痛も少ないことから良い方法であると思われた.しかし, まれに側腹部の膨隆をきたすものがあり, 術後早期より腹帯を使用しているが, 今後さらに経過観察が必要と思われた.

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