1993 年 22 巻 4 号 p. 348-351
1975年1月から1991年4月までに経験した急性動脈閉塞症例37例を血栓症と塞栓症別に比較検討した. 血栓症16例17肢中4例が退院時死亡, 6肢が切断となったが, 塞栓症21例25肢では死亡2例, 肢切断1肢と血栓症に比し予後は良好であった. 血栓症例16肢に手術が施行され血栓除去した6肢中3肢は閉塞, うち1肢は最終的に肢切断となったがバイパス術を行った5肢は全例救肢した. また塞栓症例22肢に手術が施行され肢切断した1肢を除き塞栓除去18肢, バイパス術3肢の肢救済に成功した. 以上より血栓症にはバイパス術, 塞栓症には塞栓除去が第一選択と思われた.