日本心臓血管外科学会雑誌
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同胞に発生した先天性大動脈二尖弁狭窄
賀嶋 俊隆道端 哲郎久米 誠人森本 和大饗場 正宏高場 利博
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1993 年 22 巻 4 号 p. 360-363

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抄録

当施設では, これまで22例の先天性大動脈二尖弁の症例を経験しているが, 今回同胞に発生した大動脈二尖弁狭窄を経験し, 文献上検索したかぎり1例の報告も認められなかったので報告する. 症例は兄58歳, 妹56歳であり, 兄は51歳時, 妹は15歳時より心臓弁膜症を指摘されていた. 両者とも大動脈二尖弁狭窄の診断にて21mm Medtronic-Hall 弁にて大動脈弁置換術を施行し, さらに妹ではペースメーカー植込み術を追加した. 術後経過は両者とも良好である. 先天性大動脈二尖弁は遺伝的な関係が関与するため, 発見されたなら, 家族内および親族の精査が必要であろうと考えられる.

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