日本心臓血管外科学会雑誌
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冠動脈再建術に伴い発生した脳梗塞に対する検討
山本 晋布施 勝生成瀬 好洋渡邊 泰徳小林 俊也小西 宏明堀井 泰浩
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1993 年 22 巻 6 号 p. 472-475

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抄録

1982年より1991年までの間に当科で行った冠動脈再建術961例のうち, 周術期に脳梗塞を発症した12例を対象に周術期の脳梗塞について検討した. 症例の平均年齢は65±4歳, 術前の冠動脈危険因子は高血圧9例, 糖尿病7例, 高脂血症5例であった. 頭蓋内病変は多発性梗塞3例, 中大脳動脈領域の梗塞6例, 後大脳動脈領域の梗塞1例, 橋梗塞1例, 眼底動脈塞栓症1例であった. 脳梗塞の強く疑われる原因は上行大動脈の粥状硬化病変によると思われるもの7例, 術中の脳低灌流によるもの1例, 上室性不整脈により形成された遊離血栓によるもの2例, 左室壁在血栓の遊離によるもの1例, 不明1例であった. 予後は重症例6例のうち2例が10か月, 21か月に病院死亡, 1例が8か月後に死亡した.

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