日本心臓血管外科学会雑誌
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血管ベーチェットによる仮性胸部大動脈瘤の一手術例
大淵 俊朗柳生 邦良進藤 剛毅竹田 誠川内 基裕田中 修関口 昭彦古瀬 彰村上 俊一輦止 勝麿
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1993 年 22 巻 6 号 p. 501-504

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抄録

症例は56歳, 男性. 5年前より他院眼科外来でベーチェット病の治療を受けていた. 半年前から胸部不快感が出現, CT, MRIで胸部下行大動脈中央部に直径4cmの嚢状動脈瘤を指摘されていた. 本年2月胸痛を訴え緊急手術となった. 瘤壁を切開すると大動脈に直径10mmの穿孔と周囲の血栓が認められ, 仮性動脈瘤と診断された. 手術は破裂孔のダクロンパッチ閉鎖術を施行した. 術後は順調に経過した. 穿孔部大動脈壁の病理組織所見では血管ベーチェット病が確認された. 動脈瘤を伴う血管ベーチェット病は破裂する危険性が高く予後不良であるので, 積極的に手術を行うべきであると考えられた.

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