1994 年 23 巻 2 号 p. 114-117
症例は47歳男性. 呼吸困難, 発熱を主訴とし, 当院内科紹介入院. 感染性心内膜炎 (IE), 大動脈弁閉鎖不全および僧帽弁弁膜瘤を伴う僧帽弁閉鎖不全と診断された. 抗生剤の投与でIEをコントロールした後, 二弁置換を施行した. 大動脈弁無冠尖および右冠尖を中心に多数の疣贅を認め, さらに僧帽弁前尖に疣贅とともに弁膜瘤を認めた. 僧帽弁弁膜瘤は希で, ほとんどの症例がIEに合併している. 本症では病巣の完全除去と確実な弁機能の維持が可能な弁置換術が適切な治療と考えられた.