日本心臓血管外科学会雑誌
Online ISSN : 1883-4108
Print ISSN : 0285-1474
ISSN-L : 0285-1474
感染性心内膜炎による大動脈弁閉鎖不全を伴った僧帽弁弁膜瘤の1治験例
河村 勉加藤 智栄高木 靖彦金沢 守岡田 治彦鈴木 一弘壺井 英敏宮本 正樹江里 健輔
著者情報
ジャーナル フリー

1994 年 23 巻 2 号 p. 114-117

詳細
抄録

症例は47歳男性. 呼吸困難, 発熱を主訴とし, 当院内科紹介入院. 感染性心内膜炎 (IE), 大動脈弁閉鎖不全および僧帽弁弁膜瘤を伴う僧帽弁閉鎖不全と診断された. 抗生剤の投与でIEをコントロールした後, 二弁置換を施行した. 大動脈弁無冠尖および右冠尖を中心に多数の疣贅を認め, さらに僧帽弁前尖に疣贅とともに弁膜瘤を認めた. 僧帽弁弁膜瘤は希で, ほとんどの症例がIEに合併している. 本症では病巣の完全除去と確実な弁機能の維持が可能な弁置換術が適切な治療と考えられた.

著者関連情報
© 特定非営利活動法人 日本心臓血管外科学会
前の記事 次の記事
feedback
Top