1994 年 23 巻 6 号 p. 433-436
1991年1月より1993年4月までの間に4例の血液透析患者における大動脈瘤手術を経験した. 症例1, 症例2は腹部大動脈瘤の症例で, 症例3, 症例4は胸部大動脈瘤の症例である. 大動脈瘤の診断後, 待機的手術を施行した症例1, 症例3は術後経過に問題なく退院したが, 血液透析患者であり, しかも高齢であることを考慮し内科的に経過観察をしていた症例2, 症例4は, 経過中に大動脈瘤破裂あるいは切迫破裂となり, 緊急手術を施行したが救命できなかった症例である. これからの症例をもとに,血液透析患者における大動脈瘤手術の適応に関して考察した.