日本心臓血管外科学会雑誌
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15年前の一時バイパス末梢側吻合部から発生した外腸骨動脈吻合部仮性動脈瘤の1手術例
中嶋 康彦杉田 隆彰渡田 正二尾上 雅彦野島 武久勝山 和彦田畑 良宏松野 修一森 渥視
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1995 年 24 巻 4 号 p. 268-271

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抄録

後腹膜領域の吻合部仮性動脈瘤 (AFA) は大動脈瘤や閉塞性動脈疾患に対する人工血管置換術後の, 頻度は少ないが重要な遠隔期合併症の一つである. 今回われわれは15年前に他院にて解離性大動脈瘤 (DeBakey IIIb) にて胸部下行大動脈人工血管置換術を施行された際, 補助手段として用いられた上行大動脈-右外腸骨動脈一時バイパスの末梢側吻合部に発生した外腸骨動脈吻合部仮性動脈瘤の1手術例を経験した. 症例は60歳女性. 急速に拡大する右下腹部腫瘤にて紹介入院し, CT・血管造影検査にて外腸骨動脈仮性動脈瘤と診断し手術を施行した. 開腹にてアプローチし, 仮性動脈瘤を損傷せずに外腸骨動脈と一塊として摘出, 人工血管によって解剖学的に外腸骨動脈を再建した. 術後経過は良好で再発等を認めていない. 人工血管置換術後は一生涯にわたる定期的な経過観察が必要であると考える.

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