日本心臓血管外科学会雑誌
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腹部大動脈瘤術後の人工血管の検討
とくにゼラチン被覆 knitted Dacron 人工血管の拡大について
杉田 隆彰渡田 正二尾上 雅彦野島 武久勝山 和彦中嶋 康彦山本 理江田畑 良宏松野 修一森 渥視
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1995 年 24 巻 6 号 p. 363-367

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抄録

われわれは, 腹部大動脈瘤手術においては woven Dacron 人工血管の使用を原則としていたが, 1991年9月よりプレクロッティングの不要な zero porosity のゼラチン被覆 knitted Dacron 人工血管(Gelseal®) の使用を開始した. しかし, 術後6例中4例に不明熱の出現を認め, 術後人工血管径は最低25.0%, 最大43.8%, 平均31.8±7.2%とコラーゲン被覆 woven Dacron 人工血管 (Hemashield®) に比し有意 (p=0.0003) に拡大し, 1992年9月にてその使用を中止した. ゼラチン被覆 knitted Dacron 人工血管 (Gelseal®) の植込みに際しては, 胸部大動脈だけでなく, 腹部大動脈においても術後の拡大に注意し, 人工血管径をCTまたはエコーなどにより経過観察する必要があるものと考えられた.

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