日本心臓血管外科学会雑誌
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心内膜床欠損症根治術後大動脈弁下狭窄の1例
山中 一朗安藤 史隆岡本 文雄大谷 成裕小田 勝志笹橋 望曽我部 浩花田 智樹
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1996 年 25 巻 3 号 p. 181-184

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抄録

症例は6歳女児, 1歳5か月時, 心内膜床欠損症の根治術を受けた. 術後大動脈弁下狭窄が徐々に進行し, 術後4年半後の心カテーテル検査で, 大動脈-左室圧較差が97mmHgの discrete 型大動脈弁下狭窄と判明し再手術を施行し. 大動脈弁は三弁で正常. 経大動脈弁に左室流出路を検索すると弁下5mmのところに1/2から1/3周にわたって膜様隆起を認めた. これをメスにてくりぬくように切除した. 術後大動脈-左室圧較差は25mmHgと改善した. 心内膜床欠損症術後遠隔期の合併症として, 左室流出路狭窄は知られているが, 本邦での報告は未だ少なく, 発生機序, 術式, 術後再発など若干の文献的考察を加えて報告した.

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