日本心臓血管外科学会雑誌
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人工血管置換術に wrapping 法を併用した胸腹部大動脈瘤の2治験例
野口 保蔵内藤 泰顯藤原 慶一東上 震一高垣 有作駒井 宏好広岡 紀之西岡 武彦川崎 貞男
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1996 年 25 巻 3 号 p. 203-206

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抄録

腹部主要分枝再建を伴う広範囲胸腹部大動脈置換は根治的な術式であるが, 未だ多くの問題が残り, 手術適応には慎重でなければならない. われわれは2例の胸腹部大動脈瘤に, 人工血管置換術に加え腹部主要分枝部周囲に存在する比較的小さな大動脈瘤に対して wrapping を併用した. われわれの用いた wrapping 法は, 細いテフロンテープを用い, 包帯を巻くように瘤の wrapping を行うもので, 分枝を含んだ瘤でも分枝を温存して瘤壁を確実に補強できる利点を持っている. それぞれ術後3年5か月, 2年2か月の経過観察で, 瘤径の拡大を十分に防止していることが示された. 本法は大動脈瘤の wrapping 法としては有用な方法と考えられる.

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