日本心臓血管外科学会雑誌
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チアノーゼ性心疾患に対する心内修復術前の側副血行路カテーテル塞栓術の臨床的検討
渡辺 弘宮村 治男菅原 正明高橋 善樹篠永 真弓建部 祥高橋 昌羽賀 学平塚 雅英江口 昭治
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1996 年 25 巻 6 号 p. 345-349

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抄録

心内修復術前に側副血行路カテーテル塞栓術 (TAE) を施行した先天性チアノーゼ性心疾患7例について検討した. 側副血管は25本 (1症例当り1~5本, 平均3.6本) で, 気管支動脈は7本中7本(100%), 肋間動脈は18本中17本 (94%) の完全閉塞が得られ, 全体では側副血管の25本のうち24本 (96%) の塞栓に成功した. 合併症は1例で金属コイルの大腿動脈への脱落を認め, 外科的に摘出をした. TAE後の5例で体動時のチアノーゼの増強や呼吸困難等の自覚症状が出現し, 1例では低酸素血症増強のため緊急に心内修復術が必要となり, 2例で一過性の発熱が認められた. TAE後, 労作時のチアノーゼ増強等の自覚症状, 更には低酸素血症の危険があることから心内修復術直前の施行が適切と思われた.

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