1997 年 26 巻 5 号 p. 330-333
症例は9歳, 男児. 大動脈弁性および弁上部狭窄のため4か月時に心不全が増悪し直視下交連切開術を施行した. 6歳時, 感染性心内膜炎 (以下IE) に罹患した. 内科的療法で治癒したが, 左室大動脈間に90mmHgの圧較差を認めた. その後 balloon valvuloplasty を2回施行したが有意な改善は認められず, 7歳時に再度交連切開術および Doty 手術を施行した. 9歳時, 労作時の息切れが出現したため, 今野法による大動脈弁置換術 (19mmSJM AHP弁) を施行した. 術後約1年になる現在, 患児は元気に学校生活を送っている. このような症例の治療戦略について反省を含めて考察した.