1997 年 26 巻 1 号 p. 34-39
1980年6月から1995年6月までの16年間に当科で手術を行った1歳未満の大動脈縮窄症 (CoA) 37例につき検討した. 大動脈再建は27例に Subclavian flap (SCF) 法, 7例に直接吻合 (DA) 法を用い, 他にグラフトを用いた大動脈再建, SCF法+パッチ拡大術をおのおの1例, 2例に行った. 経過観察期間は6か月~13年 (平均7.4±5.3年) で再狭窄をSCF法で10% (2/20例) に認めたが経皮的バルーン拡張術 (BP) でSCF法1例を狭窄解除した. CoA複合例の手術死亡率 (病院死亡を含む) はVSD単独合併例では一期的根治例25% (1/4例), 二期的根治例16.6% (3/18例) であったが, 最近の3例は一期的根治術を行い全例生存した. 複雑心奇形合併例では60% (6/10例) が手術死亡した. 以上よりわれわれはCoA複合例に対してはVSD単独合併例では同時期手術, 複雑心奇形合併例では二期的に施行するのが安全であると考えている.