日本心臓血管外科学会雑誌
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外傷が誘因となった総腸骨動脈瘤慢性破裂の一例
宮崎 慶子明神 一宏俣野 順村上 達哉国原 孝岡 潤一
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1997 年 26 巻 1 号 p. 59-61

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抄録

外傷が契機となって発生した総腸骨動脈瘤の慢性破裂を経験した. 症例は66歳男性. 4か月前, 自転車より転落した. 1か月前, 入浴中に左下腹部の腫瘤を自覚し近医受診した. CTにて総腸骨動脈瘤を指摘され, 当科を紹介された. 精査により転倒・打撲による総腸骨動脈瘤の慢性破裂と診断され手術を行った. 動脈瘤は左総腸骨動脈瘤主体で右総腸骨動脈と腎動脈直下の腹部大動脈に及んでいた. 左総腸骨動脈に破裂孔を認め, 周囲に巨大血腫を形成していた. 瘤を切除後 Y-graft にて置換した. 患者は経過順調にて術後約2か月で退院した.

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