1998 年 27 巻 5 号 p. 303-305
症例は55歳男性. 胸部X線写真にて異常を指摘され, 胸部CTおよび大動脈造影にて遠位弓部より気管後方に突出し, 著明な気道狭窄を来した大動脈瘤と診断された. 手術当日, 気道狭窄による呼吸困難を来し, 緊急気管内挿管を要した. 手術は左開胸, 循環停止下に遠位弓部大動脈人工血管置換術を施行し, 良好な経過を得た. 遠位弓部大動脈瘤の形態として極めて稀と思われた. また, Open proximal anastomosis 法は, 安全かつ有用であった.