日本心臓血管外科学会雑誌
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大動脈基部病変に対する Carrel Patch 手技を用いた再建術の検討
山城 聡坂田 隆造中山 義博浦 正史摩文仁 克人新井 義雄杉本 亮大
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1999 年 28 巻 1 号 p. 19-24

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抄録

大動脈基部病変30例に対し根治的基部再建術を施行した. 平均年齢は52.9±16.9歳, 男女比は22: 8であった. 上行大動脈病変の診断はAAE14例, root aneurysm 10例, 解離性大動脈瘤2例, 真性上行大動脈瘤4例 (うち2例は上行弓部大動脈瘤) で, 併存病変として僧帽弁閉鎖不全3例, 虚血性心疾患3例であった. 30例中28例において Bentall 変法を, root aneurysm+ARの2例において Yacoub 法を施行し, 冠状動脈の再建は全例 Carrel patch 手技を用いた. 病院死亡は1例 (3.3%) で, 耐術29例は術後造影にて冠動脈吻合部狭窄および仮性瘤の形成等は認めなかった. 平均追跡期間23.2±26.0カ月で遠隔死亡および再手術例はなかった. 1例に術後5年目に脳出血を認めたのみで, 心事故自由率は75% (6年, n=1) であった.

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