日本心臓血管外科学会雑誌
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潰瘍性大腸炎の経過中に脳虚血症状を呈した大動脈炎症候群の1手術例
有泉 憲史坂 晶橋本 良一多田 祐輔
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1999 年 28 巻 5 号 p. 339-342

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抄録

潰瘍性大腸炎と大動脈炎症候群の合併例, いわゆる overlapping syndrome の1例を経験した. 28歳, 女性. 潰瘍性大腸炎にて通院中に頸部血管痛を主訴に当科を受診した. 精査にて大動脈炎症候群と診断し, ただちにステロイド投与を開始した. 炎症反応は鎮静化したが, 左総頸動脈狭窄が徐々に進行し, 発症後約1年で左顔面のしびれ, 意識障害, 記銘力の低下が生じた. 右鎖骨下動脈-左総頸動脈非解剖学的交叉バイパスによる血行再建を行い, 症状の改善を得た. HLA typing では両疾患の合併例で高頻度にみられるBW52が検出された.

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