日本心臓血管外科学会雑誌
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術前に診断しえた非破裂性バルサルバ洞動脈瘤の1治験例
赤須 晃治小須賀 智一飛永 覚林 伸介友枝 博尾田 毅田山 栄基丸山 寛川良 武美青柳 成明
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1999 年 28 巻 6 号 p. 396-398

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抄録

症例は36歳女性. 5歳時に心室中隔欠損症 (VSD) の診断を受け経過観察中であった. 36歳時, 労作時の軽度の息切れと動悸を認めるようになったことから精査目的のため, 当科紹介となった. 心エコー検査では肺動脈弁直下に直径約1cmのVSDを認めたが, バルサルバ洞の瘤状の突出像は確認できなかった. 右室造影像では肺動脈弁直下の右室流出路に, 円形で大きさが1.0cm×1.5cmの陰影欠損を認め非破裂性バルサルバ洞動脈瘤 (今野分類I型) と診断し手術を施行した. 術後経過は良好で術後14日目の左室造影検査ではVSDは完全に閉鎖されバルサルバ洞動脈瘤もまったく造影されなかった. また, 診断には右室造影検査が有用であった.

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