症例は73歳, 男性. 2年前より慢性関節リウマチにて経過観察中に腹部大動脈瘤を指摘され, Y型人工血管置換術を施行した. 術後第7病日目より38℃を超える弛張熱が出現. 動脈血培養の結果Bacteroides fragilis が検出された. 抗生剤投与にもかかわらず, 炎症所見は沈静化せず, CT上人工血管周囲にガスを伴った液貯溜像を認めたため, 人工血管感染の診断にて術後第13病日に人工血管摘出, extra-anatomic bypass, 大網充填, ドレナージ術を施行した. 術後, 動脈血, ドレーン排液の培養は陰性化し, 抗生物質の経静脈投与を44日間継続し, 元気に退院した.