日本心臓血管外科学会雑誌
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体外循環下の小切開低侵襲冠動脈バイパス術 (MICS-CABG) の適応とその評価
北村 昌也渡辺 直小見山 秀一阿倍 恒平岡 徳彦
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2000 年 29 巻 4 号 p. 234-238

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抄録

LMT病変, 多枝病変, 合併手術などの虚血性心疾患17例に対する体外循環下の小切開低侵襲冠動脈バイパス術 (MICS-CABG) の適応とその成績を検討した. 年齢は平均62.5歳, 冠動脈病変はLMT病変6例, 三枝病変7例, 二枝病変3例, LAD病変1例 (AR合併) であった. 全例 ministernotomy により心臓に到達し, 同一視野から両側内胸動脈や右胃大網動脈の剥離を行った. 手術術式は, MICS-CABG2本11例, 3本5例, 1本+AVR1例であり, 平均グラフト本数 (遠位側吻合) は2.2本であった. 術後の冠動脈造影では全体のグラフト開存率は95%であった. MICS-CABGは通常のCABGと比べて, 術直後から人工呼吸の離脱などを中心とした患者の早期回復が認められ, 術後入院日数が短縮し, 術後の患者のQOL向上に有用と思われた.

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