2001 年 30 巻 4 号 p. 206-209
Shprintzen-Goldberg syndrome (SGS) は, 結合織疾患の一つでさまざまな全身の特徴をもつ疾患である. 臨床的には Marfan syndrome (MFS) 様徴候に頭蓋骨早期癒合, 精神発達遅延を伴うのが特徴である. 報告例はいまだ少ないが, MFSと同様に心血管合併症を認め, これは生命予後を規定する因子の一つと考えられる. われわれの検索しえた範囲では, SGSの報告例は19例であり, そのうち7例 (36.8%) に心血管合併症が認められている. 今回われわれは希な疾患であるSGSに合併した心血管病変に対し, 外科治療2例を経験したので, その手術適応, 術後成績につき報告する.