日本心臓血管外科学会雑誌
Online ISSN : 1883-4108
Print ISSN : 0285-1474
ISSN-L : 0285-1474
左房内乳頭状線維弾性腫に対しての手術経験
竹内 一馬岩隈 昭夫立川 裕岩橋 英彦財津 龍二木村 道生
著者情報
ジャーナル フリー

2002 年 31 巻 2 号 p. 150-152

詳細
抄録

症例は45歳男性.頻回の脳梗塞を反復している症例に対して,左房内血栓の塞栓を疑い,経食道心エコーを施行したところ,僧帽弁前尖に付着した腫瘤を認めた.腫瘤切除および僧帽弁形成術を施行し約1年8ヵ月後の現在も脳梗塞の再発はなく良好に経過している症例を経験した.病理学には,乳頭状線維弾性腫と診断された.乳頭状線維弾性腫は良性の心臓腫瘍のなかでも希であるといわれるが,合併症として塞栓症があげられる.本例の頻回の脳梗塞の原因としては左房内腫瘍との関連が示唆された.

著者関連情報
© 特定非営利活動法人 日本心臓血管外科学会
前の記事 次の記事
feedback
Top