日本心臓血管外科学会雑誌
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慢性透析患者に対する心臓手術症例の検討
真鍋 晋田中 啓之恵木 康壮長谷川 悟渡辺 正純大島 永久坂本 徹砂盛 誠
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2002 年 31 巻 1 号 p. 18-23

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抄録

透析患者11例(血液透析(HD)患者8例,腹膜透析(PD)患者3例)の心臓手術を経験した.年齢は36歳から73歳(平均57.3歳),男性7例,女性4例,透析期間は1~19年の平均5.6年,疾患は弁膜症1例,虚血性心疾患10例であった.透析管理方法として,術前はHD患者では前日に通常どおりの透析を行い,PD患者においては前日まで通常どおりPDを行った.術中は血液濾過を行い,術後はHD患者では第1病日よりHDを行い,その後は隔日でHDを行った.PD患者ではICU帰室早期よりPDを再開した.HD患者では初回透析時に低血圧をきたす傾向が認められたが,カテコラミン投与,アルブミン負荷にて対応可能であった.HD群,PD群ともに,尿毒症性毒素の除去,電解質濃度,酸塩基平衡いずれも良好にコントロールできた.手術死および在院死はなく,平均入院日数は41.0日であり,ほぼ満足できる成績が得られた.

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