冠動脈バイパス手術(CABG)における動脈グラフトとしての右胃大網動脈(RGEA)は,構造上血管平滑筋が多い筋性血管であり,内胸動脈と比較し動脈硬化が起こりやすく,また発達の個人差が大きいとされている.したがって術前にグラフト材料としての適否を検討することが望ましく,その検査法としてはカテーテル血管造影検査が一般的である.最近われわれは,カテーテル血管造影検査の代わりに,CT-angiographyによりRGEAを評価している.同検査法は,より低侵襲かつ簡潔に行えるだけでなく,詳細で鮮明なangio画像が得られ,グラフトの適否を決定するうえできわめて有効な検査法であると考えられた.