2002 年 31 巻 1 号 p. 71-73
症例は持続する発熱を主訴とする31歳男性で,心エコー検査で感染性心内膜炎による僧帽弁閉鎖不全症と診断した.抗生物質投与でも炎症反応は消退しないため,活動期に僧帽弁置換術を行った.術前IVDSA検査にて中大脳動脈のmycotic aneurysmが疑われ,第1病日に施行した脳血管造影で未破裂動脈瘤を確認したため,緊急にて脳動脈瘤を切除した.神経学的合併症はなく,ICU滞在は4日間であったが,第12病日に上腸間膜動脈瘤の切迫破裂を併発した.炎症反応が低値であり,感染増悪の危険性は少ないと判断し,緊急にコイル塞栓術を施行し,治癒せしめた.