日本心臓血管外科学会雑誌
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虚血性心疾患を合併した腹部大動脈瘤症例の外科的治療経験
真鍋 晋外山 雅章河瀬 勇加藤 全功吉崎 智也呉 海松古谷 光久
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2003 年 32 巻 1 号 p. 1-5

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抄録

腹部大動脈瘤(AAA),虚血性心疾患(CAD)両疾患26例に外科的治療を行った.平均年齢72.6±3.7歳,男性21例,女性5例,AAAの平均最大径は58.0±12.7mmであった.11例は一期的手術を,15例は二期的手術を行った.一期的手術群では4例でon pump CABGを,high risk症例3例を含む7例でoff pump CABGを行った.手術死亡はなく,術後急性腎不全,肺炎,呼吸不全を認めた.二期的手術群にも手術死亡なく,1例に急性腎不全を認めた.待機中のAAA破裂はないが,巨大瘤症例2例で切迫破裂により緊急手術を行った.全身状態良好例の一期的手術の治療成績は良好であり,積極的な施行が望ましいと思われた.High risk症例においても,AAA治療に緊急を要する例などでは,off pump CABGを用いた一期的手術は可能と思われた.

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