2004 年 33 巻 2 号 p. 90-93
全身性エリテマトーデス(SLE)に合併した冠動脈病変に対する冠動脈バイパス術(CABG)を報告する.症例は24歳女性,SLEに対しステロイドおよび免疫抑制剤を使用されていた.安静時の胸部圧迫感が出現し,冠動脈造影で,左前下行枝(7番)の完全閉塞があり,右冠動脈より側副血行路を認めた.左回旋枝(11番)に90%狭窄を認めた.狭心症発作が頻発したため,両側内胸動脈を用いたCABGを施行した.3D-CTによる術後検査にてグラフトは開存しており,経過は良好であった.今後も,ステロイド,免疫抑制剤の継続のもと,十分な経過観察が必要である.