2005 年 34 巻 2 号 p. 159-161
近年OPCABが盛んに行われ標準術式として受け入れられている.しかし,冠動脈が心筋や脂肪内に深く埋もれた症例では,冠動脈の剥離が危険であることから,やむを得ず末梢側への吻合で妥協したり,体外循環を使用する従来のCABG (conventional CABG: C-CABG)へ移行せざるを得ない場合もある.今回われわれは,超音波双方向血流計を用い,埋没冠動脈の検索と剥離露出を安全に行う方法を開発した.本法はOPCABの可能性と適応をさらに広げるものであるとともに,C-CABGにおいても大動脈遮断前に冠動脈の位置を確認することでより良い吻合部位を探すことが可能である.